何を食べているんですか?


2016.5.23更新
タイ僧侶の食べ物の例1例1:右端は丸ごとのカエルと生姜のスープ。その隣はもつ。右端は卵焼き。
タイ僧侶の食べ物の例2例2:右は、丸ごとのカエルの揚げ物と卵焼き。左は葉っぱのスープ。(別の托鉢グループのおかずが別途有り)
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非常によく聞かれる質問です。
一言で答えるなら、たくさんの人から少しずつもらった調理済みの食べ物を食べます。
何をもらえるかは、もらうまで分かりません。
毎日もらえる物は違いますし、もらえるとも限りません。
通常は炊いた米(ご飯)が有り余るほどあって、おかずがあまりないです。
どこの村に行っても炊いた米(ご飯)だけくれる人が多いから米とおかずのバランスが取れません。
おかずの傾向はありますが、それは各寺(というよりくれる人たち)によって全く違います。
肉類は戒律で禁止されておらず食べてもいいです。(大乗仏教でないことに注意)
今いる寺では肉では鶏肉が多く豚肉もたまに食べられます。
田舎の寺で牛肉を食べたことはありません。(戒律で禁止されていませんが少なくともこの村では食べる習慣がないので)
その他季節によってカエルがよく出るしネズミや昆虫もたまに出ます。
普通はたくさんの人から少しずつ調理済みの食べ物をもらうので全体の料理名はありません。
カレーとかラーメンのような分かりやすい一品料理ひとつだを食べることはまずないので料理名で答えて欲しい人には残念ながら期待するような答えはできません。
食べ物は買いませんし、食べ物の注文もしませんし、僧侶自ら料理を作ることもありません。
仏教のルールで僧侶は料理は作ってはいけないのです。
戒律で食材を含む食べ物はたとえ一晩でも置いておくことは許されないので、戒律を守れば料理を作ることはまず不可能です。
戒律で午前中にしか食事ができず保存もできないため、午後には残った食べ物は廃棄します。
タイの僧侶は食事は必ず午前中のみで食事回数は一回または二回です。
通常は二回目の食事は朝の一回目の食べ物の残りです。
朝の一回目の食事ですでに一人分の量が無い日もあり、二回食べることを希望しても食べられないことがあります。
托鉢は早朝に一回しか行きませんから二回食べることは難しいです。
私はいろいろな理由で普段は一日一食です。
二回食べるとすると、一回目の時点で半分食べ物を残しておいて、二回目に虫がたかった残り物を食べるような感じになります。
食べ物が多くあった時でもなるべく全ての食べ物を器に移します。
食べ物は容器の蓋を取ったり袋から出してお経を唱えないといけないからです。
一度出したものを再度容器に入れて密閉したり、ラップで包むとかはしません。
これは戒律やルールではなく面倒だったり虫がたかることを気にする人が少ないからだと思います。
ですから食べ物が多くある日でも二回目の食事の時間には虫がたかっていることが多いです。
おかずは一人ずつ配膳はしません。
同じ器を複数人でつつき合うような感じです。
食べているスプーンで直接、器をつつくので配膳が普通の日本で育った人にはちょっときついです。
不衛生だけでなく、配膳されてないとお互い遠慮しあって食べたいおかずになかなか手を出せず、ひとつしかない物は最後まで誰も食べずに残りがちです。
量が人数分に満たない時は特に慎重になります。
食べ物の恨みは怖いですし。
今の寺ではないんですが飢えて栄養失調気味になったことがあります。
午前中しか食べないのでどこの寺でもおなかがすきます。
例外的に托鉢した物を食べずに一日二回在家が寺内で食事を作って提供しているある大教団だけは満腹状態です。



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