教義を学びたいから出家したいと言う方へ


2016.5.22更新
寺は学校ではないと言ったことと矛盾するかも知れませんが、実は全く学べないわけではありません。
もちろん大学のように一年中、一日中座学とかそういうのはないです。
私の寺でも新人は雨季の期間に座学のために他の寺に行くということをさせます。
私も行ったことはあります。
毎日ではないです。たまに座学の日があるような感じです。
その座学の時にもらった教科書は今でも持っています。
私はもう座学は行っていません。昔行ったのでもう行けと言われないのだと思います。
今は新人が行っていますよ。
あとは、タイのお経は訳と呼ばれるものがあるのです。
パーリ語とタイ語を交互に唱えるお経ですね。
このお経だとタイ語が分かればお経の意味が分かることになります。
誰かが解釈の説明をしてくれるとかは一切ありませんけど。
寺によっては訳のお経を唱える頻度は異なります。
一般的には頻度が少ないのが普通です。
ほぼ全く唱えない寺もあります。
私の寺では朝と夕のお経の時にたまに訳のお経を唱えるぐらいです。
パーリ語とタイ語を交互に唱えていると異常にお経の時間が長くなるので普段はパーリ語だけです。
葬式や各種行事のお経はほぼ100%パーリ語です。
訳のお経の本は本屋で買えますからお経の意味は知ることができるでしょう。
教義について触れた本も本屋で買えるんじゃないでしょうか?
出家しなくてもこれらの本は買えるので出家する意味は全くないんですけどね。
これらの本を読んで理解するには要上級タイ語ですよ。
タイ語でタイ仏教を勉強したいなんて要上級タイ語ですよ。
タイ語の小説とかタイ語の新聞がすらすら読めて意味が分かる人でないと「教義を学びたいから出家したい。」などとは言えないのではないかと思います。
出家自体には上級のタイ語は求められていません。
ただ「出家してタイ仏教の教義を学びたい」と言う人には「タイ語上級者なんだよね?」というお約束の突っ込みが入ります。
格好をつけた出家理由を作りたいだけなら他の理由にしたほうがいいです。
外国人を受け付ける寺はまた少し事情が変わってくる場合がありますが。


タイ仏教出家僧侶ウィスッタスィーローのホームページ